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毎度!よも助です

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よも助! 頭を垂れよ


男体にひれ伏す


ケンチャンブンヌキのぼくはおやじ譲りの大食いだ
従って排便も大量だ
敬愛する田中小実昌は四十を過ぎてからただの一度も
一日最低五回は便器にしゃがみこむのに
固いうんこをしたことがなかったそうだ
酔っ払いの王道をひた走るぼくもその八割がたは軟便だ
我が郷土の誇り男体山は富士山と同じ休火山だが
何年か前に大爆発した時堰き止めて中禅寺湖を
造った
その時に流れ出た溶岩の量に比べたら比べる大儀は
少しもないが
ぼくが六十二年をかけてひり出した下痢便は
微々たるものだ
あえて言うのもおこがましいが
<おいらってなんてちっぽけなんだろう>


走る酔っ払いよも助がうたう

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産業新潮社は今もあるのでしょうか?


茅場町


共同ビル三階の産業新潮社に高卒後おやじのコネで入社し
計画通り三ヶ月で辞めるのだが一階には写真やがあった
といってもスタジオはなく受け渡しだけの店だから広さは三畳ほどだ
産業新潮社は産業新潮という月刊誌を刊行し企業の提灯記事を載せては
広告を取る会社だが
名古屋と福岡に支社があり大阪と東京に本社があった
副社長束ねる東京本社は総勢十数人だが
そこに二十七歳の山本さんがいてぼくは懐いだ
一階の写真屋の店番をする佐々木さんは山本さんより一つか二つ下の
女だが二人は仲が良かった
山本さんは共産党のシンパで佐々木さんは党員だった
ぼくはYシャツのカラーや手首の内側の部分が一日で汚れるのが
悔しく許せず首と手首に包帯を巻いて出社した
営業部長の吉村さんが「風邪かい?」と問うので正直に事情を説明したら
それは止めてくれということになり
そこで襟と手首部分の裏側にセロテープを貼り付けたのだった
これは洗濯するとセロテープの糊が黒く残ってしまい常習できなかったが
山本さんと佐々木さんはそうした行為を面白がってくれた
会社を辞めたあとも山本さんとは一年以上連絡を取り合った
また共同ビルから歩いて十分の夫婦でやっているソケット工場に短期のバイトを見つけ
通ったこともある
昼休みになるとぼくは写真やを目指した
カウンター越しに突っ立っていては邪魔になるだけなので
身を屈めて中にもぐりこみ佐々木さんの隣に座って時を過ごした
山本さんが顔を覗かせることもあったが
いったいどんな話をしたのだったか
山本さんとの飲む約束を娘の愛ちゃんが熱を出したとかで
ドタキャンされたことがある
山本さんは佐々木さんに代役を頼んだ
八重洲地下街のうどんやだったと思うが何を食べたのか
酒は飲んだのかどうか、どんな話をしたのか
これまたまったく覚えていない
ただその日は雨降りだった
佐々木さんは傘を手に黒いレインコートで地下街を歩いていた
淺川マキに似てると思った
淺川マキをもっと普通にしたとでもいえばいいのか
で、少しびっこをひいている
「佐々木さん、足が悪いの?」と問うと
「癖よ、せめてびっこでもひかなくちゃとひきずりだしたら
癖になっちゃったの」
と答えたのだった


走る酔っ払いよも助がうたう

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目覚めて一杯寝しなに一杯


その昔


国鉄スワローズにサンケイアトムズに
石戸四六いうピッチャーがいた
ぼくが今チェンマイで乗り回しているママチャリの鍵はダイヤル式だ
4639なのだが
「肝硬変石戸四六は39」
と記憶している
石戸は肝臓を悪くして29歳で引退し39で死んだのだ
石戸は全盛期主戦投手の名をじゃなかった酒仙投手の名を欲しい儘にした
ここに何度も書いてきたようにぼくはものごころつくまえから
酔っ払いにあこがれていた少年だったからすぐさまファンになった
それ以前に兄の影響で国鉄ファンでもあったから自動的に
巨人へ移籍する前の金田のファンでもあったが
天皇と謳われ監督よりも偉く勝手放題だった金田が唯一
手なずけられなかったチームメイトが石戸だった
ストイックに自己管理する金田はスマートだったが石戸は
ぶよぶよに太っていた
だが酒で鍛えただけあって守備は良かった、金田もそうだがピッチャーは
我が強ければ強いほどフィールデイングがいい
石戸は酒を飲むのと同じスタンスでバッターと対峙したのだった
中学の時クラスは違うのだが同学年に石戸零個がいた
それなりの成績でちょいと斜に構えた学級委員でもあったぼくから見れば
石戸零個は埒外だった
彼女は高校に行かなかったが誰よりも早く僅か一年半のあいだに
妊娠し結婚し子供を産み離婚した
いまからおもえば石戸零個は顔立ちも体つきも醸し出すその雰囲気も
石戸に似ていた
この齢になっても石戸という姓に出くわすたび
ひれ伏したい気分になる


走る酔っ払いよも助がうたう

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痙攣警報


痙攣


体中頻繁に痙攣する
手の指手の平足の指足の甲はもとより
脇腹手首と肘の間お尻の頂上睫毛の生え出し部分
咽喉ちんこちんぽの先
なんてところもひくひくひきつく
経験則からいって疑いなく酒のせいだ
たいしたことではない
時々ストレッチの途中で
太腿の裏側が攣り足を伸ばそうにも伸ばせず
その痛みに七転八倒することもあるが戻らなかったことはない
現にこうしてぼくは生きている
痙攣は生きている証なのだ
ぼくは敬虔な痙攣教患者否信者だ
死ぬまで寄り添っていく


走る酔っ払いよも助がうたう

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わたしは蝶々、あなたはそよ風


てれび


蝶のように舞い蜂のように刺す、のはカシアスクレイだが
渥美清は<夢で会いましょう>の中で
司会者の中島~何て言ったっけ?
ええ、京子とたい子は作家だしみゆきは唄い手でらもは階段から落ちて死んだのだったが
とにかくその中島何とかという知的で詩的で見目麗しい女の周りを
「わたしは蝶々、あなたはそよ風」と両手をひらひらさせ歌いながら
飛び跳ねていた
ぼくは笑いをこらえ、「蝶々蝶々菜の花にとまれ」
渥美清がいまにもテレビから脱け出てきそうになるのを
待ち受ける心構えをしたものだ
ところがどうしたことだろう
液晶だデジタルだとわけのわからぬうちに
テレビはだんだん薄くなりおとなしく不自由になった
もはやクレイは蝶のように舞えないし
ロープを背にして起死回生のアッパーカットを突き上げることもできない
今日日のテレビはなんて窮屈なんだ
安倍晋三のあの分厚くにやけた顔がきょうもテレビに納まっている
まるで猿芝居紙芝居だ
月光仮面の敵役にああした顔がよくあった
バラエテイー番組に出てくる芸能人はみんながみんな
卑屈に空気を読みあって好き勝手に消耗している
テレビに登場する誰もが画面を通すと
ふやけっちまう
特に安倍晋三、君は傲慢に振舞っているつもりかも知れないが
画面に透かせば卑屈退屈丸出しだ
薄さ自慢のテレビがさらに薄っぺらな安倍を日本を
もったいぶって映し出す
さようなら、テレビ君
さようなら、恥ずべきモノたち


走る酔っ払いよも助がうたう

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