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毎度!よも助です

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ほんとうのところはパトカーに乗せられたものの小便だといって降り走って逃げたら追いかけてはこなかったと記憶しています


幻の69シックスナイン
 
ぼくがこの魔法の靴とであったのは、泥酔し警官に追われ結局は逃げ切ったのだが、それが現実のことなのか幻覚なのかあるいは夢の一コマにすぎないのか、おそらく一生謎のままだが、その翌朝というか翌昼だ
気がつくとビール腹のオヤジにおたまの底でほっぺたをつつかれていた
お前のイビキにはまいった、本当なら十時には店を開けるのだ、迷惑料としてポケットから五百バーツ頂戴した、これはお情けだ
と放り投げられたのがこの靴だ
晩年を走ることに捧げた輩ならわかると思うが一万メートルの記録を一分縮めるのは並大抵のことではない
ところがこれで走ってみると二分近く縮まった、偶然ではない、翌日もとの靴で走ると記録ももとに戻った、計り間違いではない
翌々朝またこいつで走れば同じ結果が出るではないか
早速二足目を求めて太鼓腹のオヤジをたずねたが、そいつはとっくのむかしに潰れたさあ、と不敵に笑いおまけに手鼻をかんだのだ、話はこれで終いだがこの靴の商標は69シックスナインという
ナイキの靴でかかとをいためミズノの靴で膝をやりアデイダスで肉離れ、こいつらはおなじ穴のムジナだ、足より靴をいたわって靴より金に寄りすがる
さようなら、ナイキのぼったくりシューズ、69の奇跡を体験してからあと靴底が減るのが怖くて履くことはできても走り出すことがどうしてもできない、さようなら、アデイダスの上げ底靴
あしたからぼくは、裸足で走ります

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家から歩いて3分の大谷川河川敷に昔の面影はかけらもありません


台風一過
 
寝床に入ると川の流れる音が聞こえてきた
今日の昼前台風が通り過ぎたから
河原の方はどんなふうになってるんだろう
台風一過の朝は早起きをして朝ご飯も食べずに河原へ飛んでいった
空は青く晴れ上がって、置いていかれた風が仕方なく吹いて
ぼくはいつまでもゴオーゴオーって流れる泥色の川を眺めていた
堤防の脇の清水が湖のようになった時があったっけ
澄んだ水面に太陽の日がこれ見よがしに光っていた    
寝床に入ると川の流れる音が聞こえてきた
今、台風が通り過ぎる
今、清水湖がぼくを通り過ぎて
遠くへ遠くへ、手の届かないところへ行ってしまう

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高校時代はさほど大量ではない過去を振り返ってばかりいました


ある雨の日の情景
 
雨が降ると、とりとめもなく雨が降ると、ぼくの心は幼かった頃に帰っていきます
雨音が屋根に響くと母の吐息がそよぎます
ぼくの周りを雨はすべて被い隠してしまい、ぼくはとりとめもなく、詮方もなく
容赦なく雨は降り続き、目蓋は熱く厚くなり、掌はいつしか熱をおび
雨の音を聞きながら炬燵に眠ってしまいそうになると
記憶にないはずの情景へすとんと落ちていくのです
そして、いつかは帰って行くんですね
雨で魂が洗い流された、のっぺらぼうの世界へ

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ぼくの家からおまっちゃんの店まで歩いて30秒でした


氷水
 
もうすぐ夏休みが来る、ぼくは氷水、舌を真っ赤にして氷水をのんだ、通りに出してある細長い台に座って
氷水やのおばさんは手桶で水を撒く、ケチ臭く甘露をかける一人暮らしのおまっちゃん、今年の冬乳ガンで死んだ
もうすぐ夏休みが来る
ぼくは氷水
幼い頃の日向臭い思い出に冷えながら知らない店で氷水をのむ
今度の夏休みがぼくの最後の夏休み

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