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毎度!よも助です

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次の汽車が駅に着いたらこの街を離れ見知らぬ街へ


心静かに
 
いつものように二十時に床に入りそしてもうすぐ四時になるというのに、まだ一睡もできていない、うとうとさえしない
こんな夜はイライラしてたとえばチキンラーメンを食うか食わないかで三十分は心の葛藤があるのに、今夜は空腹を感じない、というか空腹に思いが至らない
普段なら四時に起きてストレッチをし走りだすのだが、雨も少しの熱も睡眠不足も厭いはしないのだが今朝はさぼろう、このままがいい、夜が明けぬのならそれもいい
おいらもいつのまにか五十五になり、この三年の間に兄が死に父が死に友が死んだが、その死を実感できず時々怪訝に思うのだった、ざっくばらんに言ってしまえば、母が死んだ時のような悲しみも慟哭もないのだ、毎日の訃報欄のようにその死はあっというまに通り過ぎた
ところが今夜はどうしたことか、彼らとした話やした事や彼らの身振り手振りが次から次へと浮かんでくるのだ、思い出そうとしなくても、あれっ、こんな事あったっけ?なんてことがてんでんばらばらに脳裏をかけめぐるのだ、相変わらず悲しみは一欠けらもないのだが、そのせいだろう、心は実に安らかだ
もうすぐ五時だがやはり夜は明けるだろう、こんな夜はもう二度とないのではないか、夜が明けても心は安らかだろうか、このまま起きてしまおうか、それとも一眠りすべきか、てなことをあれこれ考えているうち、確かな睡魔がやってきた、その時だ
心静かに、と彼らが言った


リヤカーを押す
 
ぼくがタイを好きなのは屋台のせいなのではないか、人のある所必ず屋台は出る、小便の時が少々厄介だが飲むのは屋台だ
昼間の商売を終えた屋台が引き揚げていく、母親が引き女の子二人が後を押す、ようし、それ行け!と心の中で叫ぶ、ベロンベロンの時は~それは昨日のことだった~加勢にだってつく、突然の闖入者に女の子は目をまんまるにし、屋台のおかみはすわ飲み逃げかと目を三角にした
昔うちにはリヤカーがあった、河川敷には畑があった、小学生のぼくは幾度もリヤカーを押した
理不尽にそれこそ理不尽におやじに殴られたその午後も、切れるように冷たいあぶら川の水で洗った大根を積んだそれを
ためらいなく、何を疑うでもなく、突き抜けた空に向かって押した

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