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今はもうくだんのくだるはありません


トンダキセキノシャーリーマクレーン
 
 
ビールを五本飲むと判で押したように意識が飛ぶと前に書いた
気がつくと無意識を抜けるとそこは雪国だったってなことも繰り返し書いてきた
それをもう少し書く
上中の家で忘年会をやった時上中は離れで寝起きしていたので離れでガヤガヤしてたのだが小便に外に出起きると茶の間の掘り炬燵にもぐりこんでいたなんてこともあった
離れに茶の間なんぞはない あさっての方からわざとらしい咳払いが聞こえてくるので そうか俺は離れに戻るべきところを母屋に来てしまったのかと仲間のいる離れへと逃げ帰ったのだが あとから話を照らし合わせるとあの咳払いは上中のおかあさんのではなく隣の月井さんのものだったようだ
またあるときは
気がつくと飯場のようなところの板を通しただけの長いすに仰向かっていた
飯場の回りに人家はなく絵の具を溶かし込んだような赤土がどこまでも続いている
ここはどこなんだろう どうしてこんなところにいるんだろうとイヤな予感が立ち上がって来た時奥の方から小学二年生くらいの女の子が現れぼくを見て何か言ったのだ  ぼくは咄嗟にタイ語で挨拶をし飯場の前に止まっていた自分のママチャリにとびのったのだ
アパートからその飯場まで間違いなく10キロ以上はある なぜキロ数までわかったかといえば道行く人をとっ捕まえては パヤオ湖へはどう出るんです?あと何キロぐらいです?と聞き続けたからだ
その日も三日三晩飲み続け最後の仕上げにアパートから歩いて一分半の(くだんのくだる)という飲み屋というか食堂に寄ったのだ そして閉店までそこの主人と話したのだが不思議なことにその会話のひとつひとつを翌日になっても克明に覚えていたのだ 詰め込んだアルコールの量からすれば立ち寄ったこと事態忘れていていいはずなのだ
だからそんときもあしたになればこんなこと忘れてるんだろうなと(くだんのくだる)のノンベエ親父との会話を反芻しながらアパートにたどり着いたのだがカギがないのだった
ここのアパートの夜警は合鍵の管理を任されていない
一ヶ月前夜警さんを誘いカラオケに行った 勤務中にあっさりと誘いに乗っかかってくる夜警も夜警だが誘うほうも誘うほうだ 夜警さんはマイクを握って離さず彼が10曲歌うなかぼくは2曲しか歌えなかった ぐちぐちと三輪タクシーでアパートに帰るとカギがないのだった 合鍵は持たされていないと言う 大家を叩き起こすのもアレなので近くのホテルに行こうとしたら なら俺の部屋に泊まればいいと路地をひとつ隔てた彼のアパートに案内してくれたのだ
起きると見慣れない部屋だったのでどういうことだとポケットを探るとなくしたはずのカギがあったのだった 再び自分のアパートに戻る カギはどうしたと夜警が言う それがあったのだ 
俺の部屋のカギはどうした?ちゃんとロックしてきた まいったあの部屋は中からロックしちゃうと外からは開けられないのだとわけのわからないことをいう
その日の夕方部屋がしつこくノックされるので出てみると夜警が立っているのだった やはりカギは壊すしかなかった 300バーツかかったが100バーツは俺が出すから残りを出せという なので200バーツ払ったのだ
その日の夜警はいつものカラオケ好きの彼でなく若い男だったがカギはやっぱり持っていない そこでロビーのソファーに倒れ込んだが寒くなってきたので共同便所にしけこみうつらつらつらしているうちに背負いバックの中に寝袋があるのを思い出した 久しぶりにパヤオへ遊びに行ったのだが友達のところに泊めてもらおうと詰め込んだのだ 結局は900バーツのホテルに泊ったのだがなぜそんな高いところになったかといえば200バーツのやつは泥酔を理由に拒否されたからだ それをソファーの下に広げこんがらがったりうつらったりのたうったりしているスキマにバックの中に付いているキーホルダーにカギを引っ掛けた記憶がでんぐり返ってきた
カギはそこにあるのだった 一度テントの収納袋に隠しこましたパスポートの存在を忘れ再発行の手続きをしてしまったことがある まったく周到過ぎるのにも困ったものだ それにしても失われたアパートの鍵が二度も続けて復活するなんて トンダキセキノシャーリーマクレーンだと脳みそでつぶやき 堕ちる飛行機は落ちるのだ泥酔するにかぎるのだと奇跡のキーでドアを開け自らの意思で自らの意識を墜落させた

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