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ついさっきまでその寝袋を掛け布団代わりにして寝ていました


寝袋にこんがらがって
 
ぼくの初めての海外旅行はインドだがその時樋野さんから寝袋を借りた、いや八千円で買うということになった、ボルテージが上がると吃った、いや上がらずとも吃っていた樋野さんは、ある時期、某有名エロ雑誌のハメ撮りのコーナーを受け持っていたらしい
この情報をもたらした安斉も、樋野さんも、某映画専門学校の同級生だが、そこを出て何年過ぎたのか、八広に閉塞するぼくを不意に安斉が訪ねてきたことがある
二人は痛飲した
気がつくと吉原大門警察署の豚箱の金隠しのない便器に跨っていた
調書を取り終え部屋に戻るとぼくが履いていた下駄を胸に揃え安斉が眠っていた
ーもうすぐ二千年だから
何年か振りに安斉から電話があった
ー近いうちに会おうよ
ーいや、だめですよ、太っちゃって、みっともなくて会えませんよ
ーじゃあますます村上龍に似てきたんじゃないの
ーそれどころじゃないですよ、大乃国ですよ、大乃国
村上龍と大乃国が似ているとは思えないが、安斉とはそれきりだ
捨てた記憶も誰かにやった覚えもないのに、樋野さんから買った、まだ未払いの、一度も使うことのなかった寝袋は消失した
一年前必要に迫られ寝袋を買った、安かったせいかその寝袋にはフードがないが、中は思いのほか広いのだ
今ではすっかり寝袋にハマッテいる、ホテルに泊まる時だって寝袋は忘れない
包まるとおのずと観念できるのだ
どんなに酔って帰っても、意識が砕け潰れても起きると寝袋の中にある
弾け散った意識が寝袋にこんがらがって、ぼくに寄り添っている

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