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その詩のタイトルは紙きれというのでした


真空地帯
 
風に吹かれて紙きれが飛んでいった、このぼくを置いてどこかへ行ってしまった
ぼくのポケットには何にもなくて軽いはずなのに、風は冷たく触れただけ
いったい紙きれはどこに行ったのだ、誰も知らない遠くの街だ
ぼくの懐には未練も懸念もけれんもないのに、風は冷たく触れただけ
四十年前に書いた詩が唐突に甦り、と同時にあの紙きれはぼくだったのだと知らされた
十五のぼくは紙きれになってでも遠くへ行ってしまいたかったのだろう
そしていつからかは定かではないが、ぼくはあこがれの街にいるらしい
酒はうまいしネエちゃんはきれいで、義理もしらがみもついでに恥も外聞もないが
まだあの世ではないらしい
時折真空地帯に吹き飛ばされた紙きれにでもなってしまったような
震えようのない寂寞を覚えるのだ、それは小さい頃周期的に襲われた死の感覚に似ていないこともない
それに比べりゃ屁みたいなものさとついさっきも呟いたたのだが
 

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