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断るまでもなく土屋コンナと土屋アンナは別人です


日光下駄円舞曲
 
 
中村雅俊はGパンに下駄履きで有名になったが
ぼくはそのはるか以前から下駄にGパンの男だった
ぼくのは日光下駄といい普通のより細身で足を載せる部分が畳敷きなのだった
暑苦しいのでGパンは二十三でやめたが
下駄は三十すぎまで履き続けた
マル田バツ子とのデートもパパラギのぼうさんとのデートの時も下駄履きだった
蓬田さんは下駄が似合う そして足が速そう
とぼうさんは言った
ぼくのファーストキスは十九の時だった
マル田バツ子ともぼうさんともキスはただの一度もしたことはなく手を握ったこともない
その日は高円寺にある俳優養成所を半年でやめたぼくの送別会で
その店は中に便所がなくとなりの家作との隙間を身をよじるようにして進まねばならない
例によってもっと飲まねばと人差し指で喉チンコをチンチンして吐き上げ
路地を引き返すと向こうから来る土屋コンナと正対する破目になった
わたし トニーのこと ずっと前から好きだったの
そのセリフが終わらぬう
二人は口を吸いあっていた
そのあまりにもの気持ちの良さに
ぼくはうろたえ一気に発情し土屋コンナに恋をした
トニーというのは養成所におけるぼくのあだ名で
十数年後にたまたま知るのだが土屋コンナはこのときの感想を
トニーの口はとにかく臭かった
と語ったそうだ
勘違いしてほしくないので断りを入れるが
臭かったのはぼくの口臭ではなく口腔に残っていた吐きたての吐瀉物のことだ
翌日バイト帰りの土屋コンナを高円寺の駅で待ち伏せ
羅生門という喫茶店で向き合った
ぼくより一歳年下の土屋コンナは
ヨウトワタシアアナッチャウラシイノ トニーイガイノサンニントハサイゴマデイッチャッタノ
と言った
もちろんその夜ははしごした はしごの最後に
表だったら土屋コンナはぼくに好意らしきものを抱いた瞬間があった
裏ならそういったことはまったくなかった
のだと 右足を思い切り蹴り上げ
夜空に
日光下駄を放り上げた

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