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毎度!よも助です

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モッドはมดアリです

つつましやかに生きよう
 
 
ネって君と言い合ったことがあった
それは二人仲良くシンプルに暮らそうって意味合いではなく
5本のビールを4本にさらに2本は無理でも3本にってことだ
君はぼくより数段強くスピードも速かった
君の実家で飲んでいた時近所の同級生がやってきて
モッドはちっちゃい頃から何をやらせても上手くそして早いのだと
自分の手柄のように言うので
そりゃそうだわが意を得たとぼくも同調したのだ
君の料理は手際よく味も使えた
他の人とは知らないが、おまんこも手早くさっさと済ませるのだった
君に似て長身で手のように長く自在な足の指を持つ
おかあさんは元気ですか?
[宝くじは買わない]という詩の中でそのおかあさんを勝手に殺しちゃったけど
あくまで創作ですから
君とは似ても似つかないお兄ちゃんの二人目の嫁さんは
見つかりましたか?
君の実家で飲んだのは2回だけだけど
気がついたら起きてみたら君が隣のいた
なんてことを目論んでいたのに 酔い潰れる前に
君は「お兄ちゃんお願い」と言って
ぼくを市内のホテルまで送らせるのでした
君のともだちのトムボーイとそのパートナーと4人で
カラオケのある食堂で飲んだことがあったよね
「なんか熱っぽい」って君がこっちを見るから
掌をおでこに持っていった時
まるで啓示のように ああ君もぼくを憎からず思ってるんだ
と承知したのです
至福の時でした
君のことを書くのはこれでしまいです

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もうそろそろ宝くじに当たっても罰は当たらないころです


宝くじは買わない
 
が、今日のコンサートの一番星だ、とてつもなくシャイでシャレている、と高校一年の時の日記帳にある
これはこの前死んだ清志郎の曲のタイトルだが、今はもう歌詞もメロディーも思い出せない
宝くじに当たったら結婚しよう、五十の時ものごころがついてから初めてのプロポーズをタイ人女性にした
当たらなくてもかまわない、相手は答えたが、日本に帰り半年働いて戻ってみるとうやむやになっていて、まもなく会うこともかなわなくなった、実際に当たっていたらこんなふうにはならなかったと、何度独りごちたことか
彼女は手の指のように長く自在な足の指を持っていてぼくをそそった、それを口にすると、このことだけは母親に感謝している、去年死んでしまったが時々指先が疼いて仕方がなくなる、間違いなく母の魂の仕業だ、と宙に掲げピアノを弾くみたいに動かしたのだが
死んだら無、あの世はない、お化けはいないし、魂もない、それこそものごころがついた瞬間からぼくはコチコチの無神論者だったはずだが、それもありかもしれない
ぼくをぼくたらしめているものは我思うゆえに我ありの我だけではなさそうな気もする
ぼくの見る夢は脳と魂の協同作業なのかも知れない、虫の知らせは魂のしゃっくり、逢魔が時は魂の居眠り時、キレるのは脳と魂の連係ミス
ぼくは夢想する、のたれ死ぬ前に買った宝くじが当たっていたと、ぼくから離脱した魂はきっと宝くじに宿るに違いない、運良く死体は発見されどこかに収容されたとしよう、宝くじがただの紙きれなら係員によって一時保管されるだろう、だが魂入り宝くじはその手をすり抜ける
風に吹かれ雨に打たれ雪に埋もり川を下り凪に舞い雲に乗って、この世をさすらうのだ
土の匂いにむせび草いきれに欲情し月夜の冷たさに張り詰め母の温もりに吐息しパクチーの香りに鼻腔をくすぐられるだろう
焼かれて灰になり消滅したはずのぼくが、微かに密かに密やかにそいつを咀嚼する
そして、引き換え有効期間が切れる日、魂の抜け去った宝くじを側らに残し
ボクハホントウニキエテナクナル

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雨の朝のナワトビは母がとびおりた橋の下でします

ナワトビ パート2
 
 
ぼくのナワトビは不死身だ
かれこれ二十五年同じナワトビを使っている
これを買った時あまりに具合がいいので
おまけにもうひとつ買っておいた
ところが四半世紀経っても壊れてくれない
これじゃあ二本目が無駄になってしまうと              スペアナワトビに切り替えた途端
所帯道具詰め込んだスーツケースとともに紛失してしまった
一本目をないがしろにした罰が当たったのだ
完璧すぎてこれを作った会社は採算がとれず潰れてしまったが
いくら丈夫で長持ちでも、地面に床面に直接ぶつかる部分は磨り減る
ぼくは針と糸でもって修繕する
一週間に一回年に五十二回これまでに千三百回以上縄に糸を通してきた
縄に針を当てると不思議と心落ち着く
どんなに頑丈でも
取っ手のところは割れたり欠けたりする
そのときはテープを貼ったり輪ゴムで巻いたりして補強する
このブログの一等最初のナワトビという詩は母のことを書いたのだった
まだ少年だったころの一時期、カメラに凝ったことがある
姉の寝顔や繕い物をする母の後姿を撮ったりした           気持ちの悪いことをするなと姉には怒られたが
母は、よく撮れてるけどなんだかかあちゃんじゃないみたいだ
と言った
その写真は五十の時に燃してしまったが
今でも、その時、母が着ていた服の柄とか、周辺の有り様は
克明に詳細に焼き付けることができる
そんな母の後姿を透かし見ながら
きょうも縄に針をさす
こころが
しずかに
ほどけてゆく

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モリゾウさんと奥さんのヨシエさんは死に二人の従姉弟も家を出て母の実家は取り壊されました

橋幸夫と佐分利信
 
 
母は橋幸夫のファンだった
小学校の修学旅行の母へのお土産は
橋幸夫のブロマイドつき折りたたみ式鏡だった
三ヶ月もしないうちにその鏡はぼくの机の上にあった
母の影響で御三家の中ではぼくも橋幸夫が一番好きだったが
奪い取ったわけではない
母に上げたものがいつのまにかぼくの手の中にある
そうしたことはよくあった
橋幸夫以外にも母が好きになった芸能人は何人かいるはずだが
他で知っているのは佐分利信だ
戦争中女学生は少女たちは工場へ働きに行かされた
母にもそういった時期があった
そこの管理を担当していた兵隊から来る年賀状を
母は大切にしていた
と言うより その人から年賀状が届くそのことを
大事に抱えていた
たぶんその兵隊と佐分利信は似ていた
母の実家を継いだ弟のモリゾウさんを
子供心に大好きだった
そのモリゾウさんが
姉やんは責任感の強い人だから
と言ったことがある                 
母を知る人なら誰もが感じることだが
あえてそう言わずにはおれなかったのだ
モリゾウさん以外にも
母には妹がいて弟がいたが
一番下の弟は若い日に自殺した
母は自らが死ぬまで
その弟のことをずっと不憫に思っていた
母はそういう人だった

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転んでしまった時母親以外の者が抱き起こしてもぼくはまた転ぶんだ、そうだ

ぼくはきみのものじゃない
 
地球ができた時、尖閣諸島があったかどうかは知らないが
尖閣諸島ができた時、尖閣諸島は誰のものでもなかったはずだ
おいらが生まれた時、母親はおいらを自分のものと感じたろうか
金で買えないものはないとよく言うが
無人島は買えても、日本列島は買えないのではないか
よしんば買えても、まさか地球は買えないだろう、たまさか宇宙は買えないだろう
臓器が買えても、人の心も買えても
ボケ老人の記憶は買えないだろう
アメリカは日本を、一つの州と見做しているか
月を、我が領土と捉えているのか
運良くぼくは売られなかったが、この先も売られはしまいが
お金がなくならない限り、金持ちがいて貧乏人がいる限り
人身売買はなくならないだろう
もしもぼくに所有者があるとすれば
それは母親だ
おふくろは起きてから寝るまで、ばあちゃんの苛めに耐えながら、働き詰めに働いたが
どんなに口汚く罵られようと、いかほどに心身がまいろうと
いつだってぼくの側にいてくれた
ものごころがついてからばあちゃんが死ぬまで
ぼくは確かに母親のものだった
ついこないだ、パスポートの紛失届けを出した時
住民票コードというのがあるのをはじめて知った
いつのまにかぼくは11桁の数字になっていたわけだ
どうも日本はおいらを自分のものと思ってる節がある
だが、言っておく                         ぼくはきみのものじゃない
平均余命に従えばあと20年で
ぼくはぼくでなくなり、ぼくはものでなくなり
誰のものでもなくなる

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