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雨の朝のナワトビは母がとびおりた橋の下でします

ナワトビ パート2
 
 
ぼくのナワトビは不死身だ
かれこれ二十五年同じナワトビを使っている
これを買った時あまりに具合がいいので
おまけにもうひとつ買っておいた
ところが四半世紀経っても壊れてくれない
これじゃあ二本目が無駄になってしまうと              スペアナワトビに切り替えた途端
所帯道具詰め込んだスーツケースとともに紛失してしまった
一本目をないがしろにした罰が当たったのだ
完璧すぎてこれを作った会社は採算がとれず潰れてしまったが
いくら丈夫で長持ちでも、地面に床面に直接ぶつかる部分は磨り減る
ぼくは針と糸でもって修繕する
一週間に一回年に五十二回これまでに千三百回以上縄に糸を通してきた
縄に針を当てると不思議と心落ち着く
どんなに頑丈でも
取っ手のところは割れたり欠けたりする
そのときはテープを貼ったり輪ゴムで巻いたりして補強する
このブログの一等最初のナワトビという詩は母のことを書いたのだった
まだ少年だったころの一時期、カメラに凝ったことがある
姉の寝顔や繕い物をする母の後姿を撮ったりした           気持ちの悪いことをするなと姉には怒られたが
母は、よく撮れてるけどなんだかかあちゃんじゃないみたいだ
と言った
その写真は五十の時に燃してしまったが
今でも、その時、母が着ていた服の柄とか、周辺の有り様は
克明に詳細に焼き付けることができる
そんな母の後姿を透かし見ながら
きょうも縄に針をさす
こころが
しずかに
ほどけてゆく

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